真・報連相とは

真・報連相とは、ひと言でいうと「質の高い仕事の進め方」そのものです。

「これまでの報連相」は、やり方・手段が中心でした。5W1Hがよいとか、結論から先に、あるいは口頭よりも文書がよいとか、主にやり方・手段を説明していました。

しかし、質の高い報連相はやり方・手段だけではできません。目的や相手を考えずに、こうしたらよいとやり方・手段を固定化してよいはずがありません。Aさんにはよい報連相が、同じやり方をしてもBさんにはよくない報連相の場合があるのです。

環境(相手)、目的、自己との関連で、やり方・手段である報連相をとらえると、質の高い報連相ができます。技だけではない心技体の報連相、これが「真・報連相」です。

※やり方を磨き、手段を開発することの大切さを否定しているのではありません。「やり方・手段」も大切ですが、「手段へ直行しない」ことが肝心です

真・報連相の核心

核心1:3つの視点

真・報連相は、報連相(手段)を環境(相手)、自己、目的の「3つの視点」でとらえます。次の図はその関連図です。「自己」を含めたところが特徴です。


従来の報連相では、上の人が下位層の人に、報連相の“良いやり方”を求めていましたが、真・報連相では、報連相の大切さに上下は無いと考えます。

質の高い報連相は、経営幹部・管理者にとっても重要課題です。例えば、正直な報告、悪い情報ほど早く・・・などは、上下の別なく誰にとっても必要な報連相の基本です。

その報連相のやり方・手段が、良いか悪いかは、環境(相手)、目的に照らして判断できるものです。「環境」には、自然環境、政治・経済的環境、地理的環境、などいろいろありますが、報連相ですから環境≒相手として説明しています。

例えば、Aさんに対しての良い報告の仕方が、Bさんに対しては悪い報告になることがあります。5W1Hは報連相の基本として重要視されてきましたが、相手が3Wだけを求めている場合には、3Wが良い報告の仕方です。

「手段」の適否は、「環境(相手)」、「目的」に照らして「自己」が判断しますが、悪い目的を選択すると、効果的な手段(相談)も“談合”になります。「環境」を認識して、「目的」を選択(設定)する「自己の在り方」が問われているのです。

私達は、とかく「やり方・手段」へ思考が直行する「手段思考」になりがちです。真・報連相では、まず目的を明らかにし、次に手段を考える「目的思考」を重視しています。

その目的を明確にするのも、しないのも「自己」です。手段を開発したり、磨いたり、するのもしないのも自己です。どのような自己か・・・、自己のワークスタイル(≒性格)も含めて、自己理解が質の高い報連相には欠かせません。

自己を含めた全体状況をみる自己の客観視が、質の高い報連相には必要です。


核心2:3つの深度

連絡とは、関係者による情報の共有化ですが、その共有化は文字とか数字などのデータにとどまらず、意味を共有化し、思いを共にしたいものです。


連絡だけではありません。報告も相談も、する人とされる人の双方が情報を共有化します。つまり、報連相の本質は情報の共有化と言えます。共有化を深めるためには、発信者が目的とか全体状況を伝え、さらに直接対話をすることが大切です。

そして、情報の共有化を深めることは、発信者だけではできません。受信者の「きき方」も重要です。上記の「聞く」「訊く」「聴く」の「3つのきき方」を心得ましょう。「聴く」とは、耳だけでなく、話し手の方を見て、全身で聴くことです。


核心3:3つの方向

相手と、報連相をする際の“心身の方向”は、真・報連相の基盤に関することです。次の「3つの方向」があります。相手に対する「心、あるいは心身」の方向です。


「相手と誠実に向き合う」ことが、真・報連相の基本姿勢です。心が大切です。身体だけ向き合っていても、よそ事を考えていたり、うわの空状態では、質の高い報連相はできません。誠実に向き合うことが肝心です。この基本姿勢の上に、「必要な場合には、寄り添う姿勢」が、自然体でとれることが望まれます。


核心4:真・報連相のレベル表(別名:仕事の進め方の重要自己の一覧表)

真・報連相のレベル表は、「質の高い仕事の進め方」の「重要事項61項目」を、 報連相×5段階のレベル表 として一枚の表にしたものです。(下記の表をクリックすると、レベル表の詳細が閲覧可能です)


これまでの報連相では、連絡はお知らせ、相談は上位者の智恵と力を借りること、といったようなイメージでした。真・報連相では、連絡とは「情報の共有化」であり、相談の本質は「互恵(ごけい)によるシナジー(相乗)効果を求めることにあり」と再定義しました。

これまでの報連相は、もっぱら上の人が下の者に求めていましたが、報連相の大切さには上も下もありません。重要情報は下も持っていますが、上も持っています。上が持っている情報の共有化、すなわち「上から下への連絡」が重要です。

「そういう事情(背景)があったのか! それを言ってくれていたら、どんなに仕事が進め易かったか・・・」と、腹立たしい思いを体験した部下は多いのです。

従来の報連相は、「5段階のレベル表」でいえば、概ね3度以下のところで、「やり方」を中心に考えていました。4度、5度のレベルは視野になかったようです。「環境」とか、「自己」という視点、あるいは、「報連相=仕事の進め方」という考え方を、明確には持っていなかったからです。

しかし、たとえば、部門間のセクショナリズムの打破と言ってみても、組織の下の方よりも、担当役員相互間の、或いは各部門長間の、連絡の悪さとか心を開いた相談の欠如などに原因がある場合もあるでしょう。

真・報連相は、パソコンで言うところのOSのようなもの

世の中の動きを観察していますと、「報連相が、パソコンにおけるOS」のように見えてきました。例えば、Windowsのようなものです。よいOSの上でこそ、アプリケーションソフトはより効果的に動きます。ここでのソフトとは、例えば、販売活動、生産活動、QCサークル活動、会議、各種研修…などであり、日常の生活・業務活動万般です。

虚偽の報告とか、連絡のまずさから信頼関係を失ったとか、相談せずに独力での解決にこだわって失敗した、といった事例が度々報道されます。もし、関係者の報連相の質が高かったならば、その事件は起こっていなかったように思えるのです。

社会生活、職業生活での諸活動は、よい報連相の上で、より効果的になります。社内外を超え、専門・年齢・性別・国籍・民族…を超えたネットワークで、自立人間同士、自立会社同士が、互恵の関係を築いていこうというのが世の趨勢です。報連相の質が、その互恵関係の成否と質を左右すると言えるのではないでしょうか。

「安心と信頼は報連相の上に成り立つ」。「真・報連相は社会のOSなり」。・・・この意味づけを含めて、3つの視点、3つの深度、3つの方向 と【真・報連相のレベル表】が、今までの報連相と真・報連相との相違点です。